渡御と還御

越ヶ谷秋まつりでの渡御(とぎょ)・還御(かんぎょ)の行列形態

お祭娘(おまつりこ)と称される年番町内の若い女性が行列の先頭に立ち、年番町青年会の氏子が先頭で露払いと警護を勤め、普段は一般には公開していない古式豊かな神器を担いだ氏子、お稚児(おちご)さん、裃袴(かみしもはかま)姿に威儀を正した旦那衆と続き、鳳凰型神輿(ほうおうがたみこし)に乗った氏神様(うじがみさま)、神職と続き、氏子総出で神様をお守りしながら厳かに進みます。
その後を、青年会を中心とした各町内(八ヶ町)の氏子が、揃いの半纏(はんてん)、着流し(=きもの)姿で、自慢の山車に人形を乗せ、お囃子(おはやし)を奏でながら、木遣唄(きやりうた)を唄い、山車(だし)を曳きながら続きます。

祭りを楽しむポイント2!
昔の越谷宿の繁栄と町民文化の粋を感じる歴史的絵巻
容姿を中心に簡単な解説を入れました。参考まで。

年番金棒とお祭子(娘)


年番町青年会の氏子がジャラン棒(=金棒)を持ち露払いと警護を勤め、草鞋に裁っけ袴姿のお祭子(娘)と称される年番町内の若い女性が、同じく手にはジャラン棒を持ち先導する

ジャラン棒
=金棒
草鞋(わらじ)
麦わらでつくられた日本の伝統的な履物のひとつ
裁っけ袴(たっつけはかま)
袴のひとつ。膝から下が細く、仕立てたもの。もと、多くの武士の旅行用。
のちに行商人、農民の仕事着として用いられた

年番青年・青年OB旦那衆


年番町青年会の氏子がジャラン棒(=金棒)を持ち露払いと警護を勤め、草鞋に裁っけ袴姿のお祭子(娘)と称される年番町内の若い女性が、同じく手にはジャラン棒を持ち先導する

年番青年会
八ヶ町で順送りに年番を努め、祭礼の開催、祭礼の権限は全て任される
雪駄(せった)
竹皮草履の裏面に皮を貼って防水機能を与え、かかと部分に後金をつけた履物のひとつ
着流し(きながし)
和服で羽織・袴を着ない一般に略式のくだけた格好であると考えられており、 独特の美意識と袴を着用する武家に対し、町人としての下層階級的な粋のよ さ、卑欲的な感じをもつものであるとされた

神職と神器を担ぐ氏子衆


金棒4人に警護され、副宰領(ふくさいりょう)・先祓(さきばらい)・正装(衣冠)に烏帽子姿の先導神職と続き、礼装(白色無紋の衣冠)に身をまとった氏子が、普段は一般に公開されていない古式豊な神器を担ぐ

正装
衣冠(いかん)
もとは平安時代以降の貴族や官人の宮中での勤務服。時代を経るにつれ、儀式用・宮中での勤務服に。その後、明治5年に宮中や官界では正装・礼装を洋服にあらためたため、現在では皇族方が祭服として着用するほか、神社界の神職の正装とされている
烏帽子(えぼし)
平安時代から近代にかけて和装での礼服着装の際に成人男性が被った帽子
氏子(うじこ)
同じ地域(集落)に住む人々が共同で祀る神道の神を氏神(うじがみ)。その神を信仰するもの同士を氏子という
神器(しんき)
神を祭るのに使う道具、神から受け伝えた宝器
・雑色(ぞうしき)
・太鼓(たいこ)
・社名旗(しゃめいき)
・榊(さかき)
・神剣(しんけん)
 青龍(せいりゅう)-東を守護する聖獣。
 姿は龍と変わりない
・朱雀(すざく)  -南を守る聖獣。四霊獣のひとつ。
 伝説上の神獣。翼をひろげた鳳凰状の鳥
・白虎(びゃっこ) -西を守護する聖獣。
 細長い体をした白い虎の姿
 一説では、虎が500歳になると白虎になるという
・玄武(げんぶ)  -北の星宿の神格化。北を守護する聖獣。
 脚の長い亀と蛇を合わせた様な姿で、四霊獣のひとつ
・御鉾(おんほこ)
・御弓(おんゆみ)
・御太刀(おんたち)

巫女(稚児さん)


平安装束を簡略化したお揃いの稚児装束に身をまとった稚児(ちご)さん

稚児(ちご)
本来の意味は、幼児のこと「ちのみご」の言葉が縮んだものとされる
現代においては、祭りの中で、特徴的な化粧(まじないのある厚化粧、口紅に鼻 筋を白くぬり)をして、お揃いの衣装(を着た少女が稚児と呼ばれる
化粧‥額にアヤツコと呼ばれるまじないの意味がある紅(赤)を入れ鼻筋を白く塗るのが基本

神社世話人・神職・来賓・氏子旦那衆


裃袴(かみしもはかま)姿の旦那衆

裃袴(かみしもはかま)
和服における男子正装。肩衣と袴を共布で作り、小袖の上から着用。肩衣に4ヶ所に紋が入る
江戸時代には、無官の武士の最礼装とされ、身分のある百姓や町人にも着用し、現在でも伝統芸能や祭礼に用いられている

金棒3人に警護され、錦旗(きんき)・宰領(さいりょう)・御幣(ごへい)・紫翳(むらさきのさしは)・鳳凰型神輿(ほうおうがたみこし)に乗られた氏神様


氏神様を乗せた二本棒の鳳凰型神輿(ほうおうがたみこし)を担いだ四丁野の輿丁(よてい=よちょう)

氏神様(うじがみさま)
同じ地域(集落)に住む人々が共同で祀る神道の神
久伊豆神社の神様=大国主命
神輿(みこし)
祭礼にあたり、神幸祭に際して、ご神体がお乗りになる輿
神幸とは‥ご神体が御旅所に渡御することを言う。この時、氏子達が担いで各町内を練り歩き、神様に各町内をご覧頂く
神輿の祭り方
二種類に大別
  1. 天皇の行幸を模し、鳳凰型の神輿に神霊を奉じて渡御する「王朝型神幸祭」
  2. 神輿を激しく振りたて、神輿を振り、強調する祭り方
    神輿を上下左右に振り動かし、わざと荒々しく揺さぶることで神様の「魂振り(たまふり)」を行い、霊威を高め、豊作や豊漁、疾病の退散がかなうと信仰されている 久伊豆の神様は、大国主命。大国主命は大変慈悲深く争いを好まないため、荒々しく揉むことを慎み、厳かに進むよう造られているとの説がある。 時代と共に奉納の浄財(賽銭)が上がった時は揉むのが恒例になり、近年では、見物客へのサービスのため多少は揉む様に変わってきた
鳳凰(ほうおう)
中国神話や伝説の鳥、霊長。鳳はメス、凰はオスとされる。羽のある生物の王とされる。身近な物では、お札(一万円札)に描かれている
四丁野(しちょうの)
(=現在の宮本町)の住民
担ぎ手は誰でも良いと言うわけではない
本来、「四丁野」(現在の宮本町)の「生え抜きの家の惣領(そうりょう)に限られていた。
理由は、江戸時代、「四丁野村」の迎擣院(こうしょういん)は将軍から五石御朱印寺領を与えられていたこと、また当時の住職が、久伊豆神社の別当職を兼務していたことから四丁野村の氏子(迎擣院の檀家)が特別な待遇として与えられていたとされる。
当時は、本家筋であっても次男以下の者や分家筋の者には担がせなかったそうです。
近年では、その様なことはなくなりましたが、現在も「四丁野村」現在、宮本町の住民のみが担ぎ手となります

台持・菅翳(すげのさしは)・供奉神職と氏子総代


正装である冠(かんむり)と衣冠(いかん)姿の供奉神職・氏子総代

冠(かんむり)
公家や武家の成人が宮中に参内などの際に頭に着用する被り物

木遣師(きやりし)と越谷市木遣保存会の会員


股引に腹掛け、草鞋を履き、お揃いの印半纏(しるしはんてん)を羽織り、木遣(きやり)を唄いながら練り歩く

木遣(きやり)
労働歌の一つ。重いものを引き揚げる時に掛けた掛声が起こりだとされる。
 越谷市木遣り保存会
 木遣唄(きやりうた)を後世に伝えるために活動している団体  越谷市無形民俗文化財指定団体。
半纏(はんてん)
和服の一種。江戸時代から庶民の間で着用された防寒着
腹掛け(はらがけ)
胸から腹にかけて前身を覆うもので、主に職人の労働着として江戸後期に股引(ももひき)と共に着用された

奉仕会・氏子参加者・各町内の山車と続く


祭囃子を奏でながら各町内の山車(だし)8台がつづく

山車の所有
旧越ヶ谷の日光街道沿いの表町八ヶ町(本町1・本町2・本町3・中町・新石1・2・3・弥生町)
そこに(新道・街道裏の裏町内音和・御殿町・柳町・宮前・東宮前・中町西・四丁野道・袋町・元御殿)が加わり催行される
山車の語源
神殿や境内の外に出す出し物であるからとする説とより代であるひげこを出していたとする説があり
祭囃子(まつりばやし)
祭りの際に演奏される音楽の総称。使用する楽器は笛、和太鼓、鉦の三種が多い